野外学習会『弥生時代の炊飯体験!』
桜の花がほころぶ春爛漫の日曜日、広島県立歴史民俗資料館「みよし風土記の丘」を小学6年生の生徒たちとともに訪れました。
まずは歴史資料館で学芸員さんのナビゲートのもと、古代の歴史クイズに挑戦です!目の前には石器、土器、埴輪、銅鏡、銅鐸、・・・と貴重な歴史資料がリアリティ満点に迫ってきます。学芸員さんのお話は私たち大人が聞いていても興味津々!
古墳時代の円筒埴輪の起源とされている特殊器台(高さ99.5㎝,口径47.5㎝)と特殊壺(高さ61.8㎝,口径32.7㎝)などは、「こんな大きな割れ物が、自動車も無い弥生時代にどうやって吉備地方南部からはるばる三次の地まで運ばれたのだろう・・・?」と本当に不思議です。古代の世界を想いうかべながらさまざまな展示物に見入ってしまいます。
生徒たちのクイズの出来栄えはというと、事前学習のかいもあってかなかなかの成績でした。
そして昼食は、楽しみにして来た弥生土器を再現したものを使っての炊飯体験です!家からは弁当のおかずだけしか持参していませんから、失敗したらご飯無しです(汗) でも、保険のために羽釜でも炊きます。
こちらも成功の保証はありませんが・・・松葉に焚き付け、薪を燃やします。竹のふいごも使いました。ものがよく燃える条件は、理科の「ものの燃え方」で学習したばかり。さて、ちゃんと炊けたのでしょうか?
お~~~っ‼ すご~い‼ 見事に美味しそうなご飯が出来ているではありませんか!ふっくらつやつや光っています。羽釜の方もちょっぴりおこげができるくらいで最高の炊き上がり。みんなでテーブルを囲んで楽しい昼食。ご飯はとっても美味しくて、土器と羽釜の両方のご飯を完食です。
腹ごしらえが出来たら戸外に出て、実際の古墳を探索しながらクイズに挑戦です。みよし風土記の丘は約30haの公園に、176基の古墳が保存されています。円墳、方墳、前方後円墳、帆立貝型古墳・・・さまざまな古墳がこんなにも集中して作られるものかと思われるほど、密集しています。
形・大きさ・高さ・位置などにはそれぞれ時代的な背景や理由があるそうで、些細なことがらを手掛かりに太古の人間社会を推理していく考古学という学問の奥の深さやロマンを感じずにはいられません。
生徒たちは高床倉庫や竪穴住居に実際に入ることができご満悦!
大きな古墳にやってくると、生徒たちは元気よく頂上まで駆け上がります。
ある古墳では、墳丘の側面にキツネの巣穴を発見! まだ掘ったばかりの様子で、中でお昼寝中かもしれません。ヘビやトカゲやキジにも遭遇して、里山の自然もふんだんに堪能できました。
前日現地では、地元の人も記憶に無いほどの大粒の雹(ひょう)が降ったそうで、翌日も大荒れの天候でしたので、日頃の行いの良さのおかげだったのでしょうか(笑)。それにしても、ふだんは体験できないものにたくさん触れることができ、生徒たちも私たちも貴重な一日となりました。また野外に飛び出して学習フィールドをどんどん広げていきたいと思います。