2026.06.01

小学校の英語教科化のその後
文部科学省では3年に一度、全国の小6と中3の計約10万人を対象に、子どもの学力の変化をみる「経年変化分析調査」を行っています。ほぼ同じ問題(非公表)が出題されるため、学力変化を容易に比較することができます。小6では国語・算数、中3では国語・数学・英語で実施されています。出題内容は前学年までの学習事項です。
最近「経年変化分析調査」が行われたのは2024年度でしたが、中3の平均スコアをその前の2021年度の調査と比較してみると、国語511.7⇨499.0(-12.7ポイント)、数学511.0⇨503.0(-8.0ポイント)、英語501.1⇨478.2(-22.9ポイント)と、3教科ともスコアが低下。中でも英語のスコア低下は顕著でした。小学校高学年で英語が教科化されたのは2020年度でしたので、2024年度の調査対象となった中3は小5から英語を教科として学習してきた学年であるわけです。「小学校で英語を教科化したのに、中学校段階の英語力が落ちた⁉」と波紋を広げたのは当然です。文部科学省はコロナ禍が影響した可能性を挙げ「『話すこと』が積極的にできなかった影響がある」との見方。ただ、「聞く」「書く」「読む」の項目でも正答率が低下していて、4技能が全体的に下がっていることから、すべての原因をコロナ禍に求めることはできそうにありません。
「英語の中1ギャップ」という言葉があります。小学校の「聞く」「話す」中心の英語から、中学でいきなり文法や読み書き中心の本格的な英語学習に変わることで、多くの生徒がつまずきや学力差を感じているという現状を指す言葉です。
現行の学習指導要領に基づく教科書は2021年から使用されていますが、それより前の中学1年生の学習内容は、〈アルファベットの大文字・小文字の書き方・発音〉、〈英単語のつづりの覚え方〉、〈be動詞の文〉と〈一般動詞の文〉のちがい、〈人称代名詞の格変化〉、〈三・単・現〉、〈命令文〉、〈現在進行形〉、〈助動詞can〉、〈過去形〉…など、英文法の基盤となる部分でした。中1の学習内容がしっかりと定着していることが、その後の英語の伸びを左右する最重要要素であるという位置付けから、私たち教える側が最も神経を使う部分であったわけです。
現在の中1の教科書は、小学生5・6年生の内にこれらの単元を一通り触れてきた(学習してきた)ものとして、さらりと学習は進んでいきます。1学期中にbe動詞、一般動詞、canまで一気に出てきます。教える側の先生には、アルファベットから復習させたり、英単語の覚え方をマスターさせるなどじっくりと基礎を固める余裕などありません。
ところが教わる側の生徒たちは、小学校の授業では「話す」「聞く」に重点が置かれていたため、教わったはずの文法理解は不十分、習ったはずの単語を見ても読めないし、意味も分らないというケースが少なくないのです。中には「中学入学時点で8割以上の生徒がアルファベットを正しく書けない」という学校の報告もあるといいます。このようにして「英語の中1ギャップ」が生まれるのです。何のための英語の小学校教科化だったのでしょうか。
一方、学校外の学習塾や英会話教室で学習することで、バランスよく理解が進んでいる生徒もいますから、同じクラスの生徒間に大きな習熟度格差が生じてしまいます。中2・中3の途中から初めて塾に入ってきた生徒たちを見れば、そんな状況は一目瞭然です。そんな生徒の一人が言いました。「自分のクラスの生徒はほとんど分かっていないよ。」 学校では『学び合い』を盛んにやっているとのこと。しかし、よく理解していない生徒同士では、なかなか理解が進むはずはありません。
何事にも順序というものがあります。基本を丁寧に習得することで学力基盤をつくり、そこから徐々に発展させていくことの重要性をあらためて感じます。

中高進学フェア2026
後援/全国学習塾協会・エフエムふくやま
教育ネット21では、小中学生と保護者を対象に「中高進学フェア2026」を開催します。福山市周辺を中心とした公立・私立の中学校・高校19校が一堂に集まる学校説明会です。
今年度から私立高校でも授業料が実質的に無償化されたことにより、今春の高校入試の状況は大きく変化しました。経済的負担において公立・私立の差が大きく縮まったことにより、受験生側からすれば、『本当に行きたい学校』を選ぶことができるようになったといえます。今回のイベントは、それぞれの学校の独自色を打ち出した教育を知る絶好の機会となります。各学校ブースでは、先生や在校生が少人数対象に目の前で説明されますから、みなさんの素朴な質問や興味のあることにも個別に答えてもらえるチャンスです。『どんな先生がいて、どんなことを考えて指導されているのだろう?』『生徒はどんなことを頑張っているのだろう?』『卒業後の進路は?』様々な学校の特徴を、自分の目で、自分の耳で、自分の心で感じ、未来を創る場として進学する学校を真剣に考える好機にしていただくことを願っております。
◇日時:2025年6月7日(日)11:00~17:00
◇場所 エフピコアリーナふくやま 多目的室
☆小学生対象(中学校入試説明)…第1部(11:00~12:30)
☆中学生対象(高校入試説明)…第2部(13:30~15:00)、第3部(15:30~17:00)
混雑を避けるため3部制に分けています。ご希望の部を申込時にお選びください。
※ 入場無料・完全予約制 事前に参加申込書にてお申し込みください。
参加予定校〔◎印・・・中学・高校の説明、 〇印…高校の説明〕
〇尾道北高等学校
〇尾道東高等学校
〇神辺旭高等学校
〇庄原実業高等学校
〇大門高校
〇福山葦陽高等学校
〇福山誠之館高等学校
〇福山明王台高等学校
◎広島中学高等学校
◎福山中学校・高等学校
◎盈進中学高等学校
◎英数学館小・中・高等学校
◎尾道中学校・高等学校
◎近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校
◎銀河学院中・高等学校
◎如水館中学校・高等学校
◎福山暁の星女子中学・高等学校
◎金光学園中学・高等学校
◎岡山龍谷高等学校・蒼明学院中学校
