「覚える」 or 「理解する」
毎年中3生を対象に実施している恒例の『トレーニングジ下ム』(教育ネット21主催)、今年は「英単熟語」について7/28(日)、「社会科」については9/1(日)に、それぞれ私立高校の教室をお借りして開催しました。以下の図は「社会科トレーニングジム」で最初に行った「自己認知テスト」での得点分布(上図)と、最後に行った「修了テスト」での得点分布(下図)です。
Before
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After |
トレーニング前後での得点力の変化は一目瞭然です。今回の参加者135名全体の平均点は、47.2点から80.4点へと跳ね上がり、集団としての上昇率は+70.3%。自己認知テストで50点~79点の生徒の内82.1%が、修了テストで90点以上をとるなど、ほとんどの生徒が大きな成果を上げていることがわかります。わが塾の生徒も3名が修了テストで100点満点!中にはトレーニングでの伸び率812%(1位)を記録し、伸びしろの大きさを存分に発揮してくれた生徒もいました(苦笑)。
ただ、これで入試に臨むための実力がしっかり備わったのかというと、そうとも言えません。今回一問一答式の問題集を8ラウンドに分けて、暗記タイムとテストを繰り返したわけですが、断片的な記憶や短期的な記憶にしかなっていない事柄もあるでしょう。出題範囲の限られた定期試験ならば、それも有効かもしれませんが、これまで学習したことすべてから、『なぜそうなるのか』が問われる入試では通用しません。
本当の学力にするには、地理であれば、気候や資源などの自然条件と産業が有機的につながらなければならないでしょうし、歴史では、その時代において誰が政治的な中心でどんな出来事があったのか、それを背景に外交・貿易、産業、文化・宗教・学問などはどうなっていったのかという流れを理解する必要があります。そこで学習の中心にしてほしいのは学校の教科書です。覚えようとするのではなく、図表なども含めてじっくりと読み進めることで、単なる用語知識ではなく、仕組みやつながり、流れを理解してほしいのです。その後に問題集で理解度を確認するのも良いでしょう。“急がば回れ”地道に頑張るしかありません。今回のトレーニングジムで身につけた基盤を、より強固なものにしてほしいと願っています。ここからが本当の勝負です!
社会科トレーニングジム参加者感想(一部抜粋)
《 》内数値=(修了テスト得点)÷(自己認知テスト得点)
男子《1.22倍》とても疲れたけど、やっていて楽しかった。最終的には100点も取れてとてもいい経験になったし、すごく力になった。またやってみたい。
女子《2.11倍》自然とやらないといけない空気があって、すごく暗記がしやすかった。
女子《1.62倍》今日は長時間の勉強をしてとても疲れたけど、有意義な時間になった。今日の経験を活かしてこれからも粘り強く勉強していきたい。
男子《1.55倍》寝ずによく頑張ったと思います。
男子《1.60倍》英語のときより疲れて、とても大変な一日だった。けど、努力した結果がはっきりと出ているのでモチベーションにつながった。
女子《1.65倍》5教科の中で社会は苦手な方で、最初のテストも思った通りの点数でした。でも最後はけっこう高い点数が取れてとても嬉しかったです。
男子《1.06倍》社会は単語を覚えてないと全くできない教科なので、一日頑張って最後のテストで100点を取れたことはよかったと思います。
女子《1.25倍》社会が苦手であまり出来なかったので、地理や歴史を覚えられるようにしたいです。
男子《3.10倍》最初と比べて漢字力も知識量も増えた。これからも生かしていこうと思う。
女子《4.00倍》最初の自己認知テストはできなかったけど、最後は点数が上がった!
男子《1.78倍》歴史が特にできないことが分かった。
女子《2.36倍》最初は分からないところが多かったけど、分かるようになってよかった。
女子《1.81倍》最初は全然分からなくて点数が低かったけど、最後のテストでは80点以上取ることができて良かった。歴史をもう少し頑張りたい。