小6生野外学習会
山々が新緑に萌える日曜日、小学6年生の生徒たちとともに広島県立歴史民俗資料館「みよし風土記の丘」を訪ねました。
学芸員さんの案内のもと、まずは博物館で古代の歴史クイズに挑戦です。目の前には石器、土器、埴輪、銅鏡、銅鐸、・・・授業の中で写真を見てきましたが、実際に自分の目で見ると、その大きさや質感がリアリティをもって感じられます。この博物館から数km離れた場所で発掘された矢谷墳丘墓(弥生時代)で見つかったという青色のガラス製小玉は、分析の結果「ナトロンガラス」と呼ばれるローマ帝国産のガラスで作られた可能性が高いことが最近わかったのだそうです。邪馬台国の女王「卑弥呼」がいた弥生時代の日本と、映画「テルマエ・ロマエ」に登場する皇帝「ハドリアヌス」が活躍したローマ帝国、シルクロードの黎明期である古代において、はるか遠いヨーロッパとこの地との交流があったというのは、大きな驚きです。
お昼はお待ちかね、再現した弥生土器での炊飯体験です! 焚き付けには松葉や小さめの薪を使い、理科の「ものの燃え方」で学んだばかりのことを実践して着火の準備をします。今どきの子どもたちは、普段たき火などすることなどないだろうというのは想像に難くないところですが、それどころかマッチも使ったことがないということに、時代の移り変わりを痛感させられます。2班とも出来上がりは大成功!あまりの美味しさに、ご飯があっという間になくなってしまいました。土器で炊いたご飯の美味しさもさることながら、生徒たちの食欲のすごさにもびっくり(汗)!
そして午後は古墳探索です。面積約30haのこの公園内には、なだらかな丘陵上に176基の古墳が群集しています。円墳・方墳・前方後円墳・帆立貝形古墳(ほたてがいがたこふん)など、さまざまな古墳を見ながら、学芸員さんの説明を聞きました。生徒たちは元気一杯で、古墳から古墳へとかけていきます。あいにくの空模様で、古墳群全体をめぐることはできませんでしたが、生徒たちは新緑の里山での一日を満喫し、古代の人々の暮らしに思いを馳せてくれたのではないかと思います。
さてこの野外学習会、実は帰ってきてからのミッションもあります。当日参加できなかった生徒も含め6年生全員が、勾玉(まがたま)作りに挑戦するというものです。勾玉というのは古代の装身具のひとつで、ひもを通して首飾りにしていたといわれ、古事記や日本書紀にも表記があるそうです。今回取り組むのは、みよし風土記の丘ミュージアムでお土産に買った勾玉づくりセットです。自分で石を削って形をととのえ、オリジナルの勾玉を作り上げるのです。ゴールデンウィーク明けに全員が出品し、みんなで投票して最高傑作を決めます。さあ、どんな素敵な勾玉を作ってくれるでしょう!