対潮楼姿勢

6月末から7月上旬は、おおむねどの中学・高校ともに期末考査でした。試験勉強のやり方について、よく生徒たちと話し合います。「だってうちの先生って、授業では教科書に関係無いことばかりしゃべって、試験には教えてないことまでどっさり出すんですよ~!」「うちの○○の先生なんて、説明が全然わかんないし~!」色々と不満があるようです(汗)。しかしながら、そのような不満を自分が勉強しないことの言い訳にするばかりで、何も行動しないでいると、そのつけは全部自分がこうむることになってしまいます。自分にとって不都合なことに出会うとき、どうしてもその原因を他に求めたくなる気持ちもわからないではありませんが、同じ環境の下でしっかりと結果を出す生徒もいるわけです。どこがちがうのでしょうか?

物事をネガティブにとらえる人は、行動しません。頭の中で悪いイメージばかり膨らませテンションを下げています。また、行動する前から「どうせできないもん」と頭から努力を放棄してしまってやろうとしないケースが何と多いことか(泣) やってみることもしないで、どうして諦めてしまうのでしょう。何ともったいないことでしょうか。

一方結果を出す人はというと、まず行動します。行動することで打開できる部分が出てきますから、次の課題へとターゲットを変えていくことができます。少しずつでも解決していけると達成感を持てるものです。そしてさらにそれをエネルギーにして次なる行動に移せるのです。ポジティブな人が、最初から「できるはずだ!」などと確信しているというわけではありません。「何とかなる」くらいの気持ちで行動し始めることが、成功の鍵になるのです。そうして自分で行動することで課題を解決できる自信がついてくると、様々なことにチャレンジできるようになります。与えられた課題だけではなく、自ら探究しようとする気質も身についてきます。そして創造性を持って行動できるようになります。

勉強というのは、ちょっと考えてすぐわかることばかりではありません。学年が進むにつれだんだんと、理論を積み重ねていかないと正解にたどり着けないような問題になってきます。世の中が短絡的な考えだけで解決できることばかりならば、学問など不要です。また、自分ではわかっているつもりでいることが、よくよく勉強してみると、もっと奥が深いことに気付かされるような瞬間も多々あるものです。「自分が知っていることなんて表面的な部分だけで、全然わかっていないではないか…」己の無知を知る、そんな恥ずかしい思いをすると、否応なく謙虚になれます。もっと真実に近づき、様々なことを知りたいと考えます。本を読むとき、人の話を聞くとき、「どんな考えを伝えようとしているのだろうか」と注意深く理解しようとします。自分が一度出した答えも、もう一度吟味しようとします。そんな謙虚な姿勢を持つことは、長い人生においても獲得できるものの量に大きな差を生みそうです。ちょっとした考え方や姿勢が行動を変え、行動により結果が変わり、ひいては人生が変わる。よく言われることですが、真理があります。

「理科の試験勉強は進んだ?」「えーっ、全然! だってやってもわかんないも~ん!」、「面白い本がたくさんあるよ」「えー、本嫌いだもん!」…子どもたちとの日常の会話です。少なくともこのような固定概念を捨て去ることが第一歩です。自分の行動を縛り付けて可能性の芽を摘み取っているのは、実は自分自身であることがほとんどであるように思われます。もっともっと自分の可能性を信じてください。

平成いろは丸