夏を制する‼

広島県教育委員会より、今春平成29年3月7日・8日に実施された広島県公立高校入学者選抜における学力検査結果の概要が発表されました。現在進みつつある教育改革の方向性を色濃く反映した検査問題と、受検者の学力との乖離が現れた結果となりました。

 

広島県公立高校入学者学力検査における過去5年間の各教科受検者平均点(50点満点)

  国語 社会 数学 理科   英語    5教科平均
2017年(平成29年)   23.9 19.3    23.0   17.1    15.9       19.8
2016年(平成28年)   25.6   21.2     24.8  19.7     23.7      23.0
2015年(平成27年)  28.8   25.7      30.1     23.0    24.0        26.3
2014年(平成26年)   31.5    30.8    27.3  25.3        24.4     27.8
2013年(平成25年)   32.1     26.7  23.7     27.4  21.3     26.2

受検者平均点について見ると、昨年に比べ全教科下がり、5教科平均で3.2点の低下。特に理科・英語の得点率3割強というのは、求められている学力が十分身に付いていないことを露呈しています。

 

2017年度(平成29年度)広島県公立高校入学者学力検査各教科度数分布

(広島県教育委員会ホームページより)

2017国語

2017社会

2017数学

2017理科

2017英語

2017全教科合計

得点分布を見ると、さらに顕著です。特に英語では、得点率60%超える得点層の受検者がわずか8.0%と減少し、他方得点率30%以下の受検者が大幅に増加して全体の53.6%と過半数を占めています。6~10点の受検者が最も多いというのは、基礎的学力の定着が不十分であることを如実に物語っています。県教委は「資料を基に表現内容を工夫してコミュニケーションする能力をみる問題についての正答率が低い」と分析しています。

試験勉強の様子を見ていていつも感じることですが、課題に追われ左から右へと答えを写す作業になったり、丸覚えしただけで勉強したような気になったりしている生徒が少なくありません。今後の入試で求められている学力というのは、仕組みや流れやつながりを理解した上で、与えられた課題に対して、その目的や意図に応じて必要な情報を適切に使って表現して答える力です。

しかしながら、どんな応用問題もすべては基本がしっかり備わっていることが前提です。この夏、まずは基本・基礎をしっかり身に付け、今後の発展学習への基盤をつくりましょう。「夏を制する者は受験を制す!」です‼

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