アクティブ・ラーニング

 
最近よく耳にすることばに、「アクティブ・ラーニング」というのがあります。このことばは、2008年に中央教育審議会から提言され、文部科学省が2020年からの大学入試改革を進める中で、さかんに取り上げられるようになった教育手法で、現在ではあらゆる教育現場で何らかの形で導入されています。

 
文部科学省では、「アクティブ・ラーニング」を次のように定義づけています。「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学習者の能動的な学修への参加を取り入れた学習法の総称」

 
生徒が知識や情報を得る手法だけでなく、課題から結論を導き出す技能を重視します。たとえば、講義や図書、インターネットなどから得られる情報や知識の取捨選択および比較検討、他人の考えと比較しながら考えを練る、結論を的確に人へ伝える、などのプロセスが、計画的に盛り込まれることにより、能動的な学習方法が形づくられるとしています。具体的には、グループワーク、ディスカッション、リフレクション(自己の活動内容を振り返って評価すること)、ディベートなどにより進められます。けっして目新しいことばかりではなく従来も行われてきたことですが、より体系的に行うことで教育の質を高めていこうというものです。

 
世界と比べて論理的思考力の不足や学習意欲、社会参画意識の低さが指摘されているような現状があります。いくら知識や学力があっても、それを上手く使えなければ意味がありません。
さまざまなプロセスを通して教える側と学ぶ側が相互に刺激を与えながら知性を高めていき、生涯にわたって実践できる力を身につけていくことが重要です。