逆さ乗鞍岳

授業が大切!

先日ある中高一貫の男子校の先生が来塾されました。その話の中で、「高校3年生の担任から、中学1年生の担任に変わってみると、猿山にまぎれこんだようです(笑)」とのこと。6年間共に過ごしてきた高3生ともなると、関係性もできているので『一を聞いて十を知る』とまではいかなくとも、少し話をすれば教師の考えが生徒たちにすぐ伝わるようになっていたのだと、今となってつくづく感じるのだそうです。対照的に、中学に入ってきたばかりの生徒たちと接してみると、人類の進化の過程を感じるほどの大きなギャップ! 教師側が常識であろうと考えることが、ことごとく通用しないので、一つずつ丁寧に説明して意識づけをしたり、習慣化するように奮闘する日々を送られているそうです。「でも、私たちにまとわりついてきて、この上なくかわいいんですよ(笑)」とのこと。

この小学生と中学生のギャップというのは、毎年私たちも感じていることであるわけですが、当の生徒たちにとっては、もっと大きなギャップとして感じられていることでしょう。小学校までは多くの教科を一人の先生から教わりますが、中学校では教科によりそれぞれ担当の先生はちがいますから、授業の進め方も、課題の出され方もまちまちです。生徒たちはそれぞれの先生の特徴をつかんで対応しなければならないことになり、戸惑う生徒も少なくありません。テストについても、小学校で単元ごとに出題されていたものが、中学では定期考査という形で最大9教科をまとめて行うことになります。公立中学校では近年中間試験を行わない学校が多いこともあり、試験範囲はさらに広がっていますから、要領よく計画的に理解を深めることが求められます。生徒はそれぞれ得意・不得意の分野がありますので、それぞれに合った自分の勉強法を早い時期に覚えることが重要です。

チューリップ日向

しかしながら、やはり大切なのは普段の授業です。学校の先生方は毎回テーマを持って授業に臨んでいます。基本的な考え方や重要ポイントを授業で理解させた上で、学力定着に向けて問題演習をしていくわけです。ですから、授業をしっかり理解していくことが、生徒にとっても最重要課題となります。

そこで問題となるのが、授業を受けるときの姿勢です。近年よくいわれるのが、「授業を受けながらノートを取ることができない生徒が増えている」というものです。確かに先生が書いたことをノートに書き留めておくというのは重要で、後で試験勉強をする際にも、大きく役立つものになります。ですから、ノートをとることにも慣れてほしいのです。だからといって、先生が板書したことをそのまま写せばよいというものでもありません。中には板書は一字一句ノートに書き写さなければならないという強迫観念があるような生徒もいるのかもしれません。

私たちが授業をやっていて最も気になるのは、板書を使って説明しているときに、写すことばかりに一生懸命になっていたり、心ここにあらずといった感じだったりで、説明に注意を向けていない生徒です。授業の中で一番大切にしてほしいのは、先生の説明をよく聞いて理解することです。一番わかってほしいポイントは先生の言葉の中にあるのです。ノートに写してほしい場合は、先生もその時間を与えてくれるはずです。説明を聞く中で特に重要だと思うところがあれば、書き込みながら聞きます。でも、書くことが少々留守になってもいいので、とにかく聞くことを最優先にしてほしいのです。

そして普段の授業で理解したことは、試験勉強につながってくることになります。もちろん授業の中で理解をしたと思っていても、人間というのは忘れてしまう生き物です。そこで試験勉強が大きな意味を持つことになります。ノートを見返して復習する中で、「あの時先生はあんなこと言ってたなぁ…」などと思い出しながら理解を深め、反復トレーニングをすることで、試験本番でもアウトプットできる状態をつくるのです。授業で理解せずに、あとでゼロから理解していくというのでは、無駄が多く、非効率で、本当の意味での学力としてはなかなか定着していきません。授業を中心にした学習サイクルを身につけてほしいと願っています。

水路と常念岳

進学情報フェスタ2024

◆日時 6月9日(日) 《第1部》12:30~14:00  《第2部》14:20~15:50

◆開催場所 エフピコアリーナふくやま 多目的室 (福山市千代田町1丁目1番2号)

◆参加無料・完全予約制(定員200名)

教育ネット21では、今年も「進学情報フェスタ2024」を開催します。福山周辺の公立・私立の中学・高校17校が一堂に集まる学校説明会です。それぞれの学校ブースで、目の前で個別に説明してくれますので、素朴な疑問も遠慮なく質問できます。関心のある学校、気になる学校、色々な学校の様々な特色を知る大きなチャンスです。受験学年に限らず、学校選びのきっかけにしていただくことを願っています。ぜひ「行きたい学校」を見つけてください!

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