鉄人28号

科学の力

新年あけましておめでとうございます! 年始より、甚大な自然災害が北陸地方を襲い、また重大な事故も発生し、前途多難なムードの年明けとなりました。人類はこれまで様々な困難を乗り越えてきた歴史があります。蓄積してきた知恵と科学の力を原動力に、豊かで便利な生活を実現してきたのです。しかしながら、それとは逆に極度の貧困に苦しむ人々は7億人を超え、ウクライナやパレスチナなどの戦争も止む気配がありません。そして最大の問題とされる地球温暖化も決め手のないまま今にいたっているように思われます。

そんな閉塞感に満ちた時代に、明るいニュースに出会いました。23歳の青年化学者がCO₂回収装置を発明したというのです。彼の名前は村木風海(むらきかずみ)さん。村木さんが代表理事を務める一般社団法人・炭素回収技術研究機構が「世界最小のCO₂回収装置」と紹介する装置「ひやっしー」のサブスクリプションを始めたのだそうです。ひやっしーは大きめのスーツケースくらいの箱で、内部に水酸化ナトリウムのカートリッジが入っていて、取り込んだ空気に含まれるCO₂の60~80%を吸収できるといいます。また回収したCO₂から石油代替燃料をつくる構想までかかげています。

この発明に対して、CO₂を吸収するアルカリ水溶液をつくるのに出てしまうCO₂より少ないCO₂しか吸収できないとの批判もあるそうです。しかし、大切なのは既成概念を壊すような新しい発想を実現しようと挑戦していくことです。失敗すればまたやり直せばいいのです。そんなチャレンジャーが次々と現れることが切に願われます。

とんど