富有柿

教育ネット21主催 社会科トレーニングジム

教育ネット21の高校受験生支援イベント第二弾として、社会科トレーニングジムが10月開催されました。前回の英単熟語トレーニングジムは、教育ネット21加盟塾7会場をネットで結んでのリモート開催でしたが、今回は一か所に集合しての開催で、集合時の生徒たちは一様に緊張の面持ちでした。福山地区の私立高校入試があと2カ月余りまで迫り、生徒たちの目の色もずいぶん変わってきています。新型コロナウィルス感染防止のため、煩わしいことも多少あったかもしれませんが、参加者全員が丸一日根気強く、懸命に社会科の問題に取り組み、それぞれが大きな収穫をあげてくれました。

毎年のことではありますが、このイベントの一週間後に行った学力テストでは、多くの生徒が社会の得点を上昇させました。中には期待をはるかに超えるほどの成績アップを遂げ、私たちの目を丸くさせてくれた生徒もおられました。もちろんその生徒の努力は、決してこの暗記会一日だけのものではないというのは明らかで、このイベントをきっかけにして、家庭で地道に学習してきた成果が現れたものだと思われます。自ら獲得しようと能動的に行動することは、勉強に限らず何事においても大きな収穫を生むことになります。

今回のイベントで気付いたことや感じたことを忘れずに、受験に向けて努力を継続してくれることを願っています。

参加者の感想(一部抜粋) 《修了テスト得点率÷自己認知テスト得点率》

男子《3.5倍》 自分の苦手な歴史を少しでも覚えることができました。この経験を受験勉強に生かしたいです。

女子《4.3倍》どのようにすれば覚えられるのかが分かりました。この経験を普段の勉強に役立てていきたいです。

女子《5.8倍》朝のテストより点数がとれた。

女子《1.7倍》もともと社会が苦手であまり分からなかったけど、今日たくさん勉強して少しずつ分かるようになりました。

女子《1.6倍》社会はその用語だけ知っていても意味を知らないものが多かったけど、今回のことを通して、用語の意味とつなぎ合わせながら暗記できたので、とても力になりました。自分に合った覚え方を見つけられたので良かったです。これからもこの集中力が持続できるように頑張ります。

女子《1.4倍》漢字で書けるようになった言葉が増えた。歴史はあまりできなかった。自分で少しずつ覚えていこうと思う。最後の方は頭が痛かった。

女子《1.1倍》みんな頑張っているから、自分のモチベーションも上がった。1・2年生の内容を確認できて良かったです。

女子《3.0倍》普段から語句を覚えていく大切さを学びました。

女子《1.6倍》地理の用語を完璧に覚えることができました。これからは、今日覚えたことを忘れないように、復習を続けたいです。一番苦手な教科で一日つらかったけど、頑張って良かったと思います。とても達成感があります。

女子《2.6倍》たくさんの語句を覚えられるようになった‼ となりに人がいると、プレッシャーを感じて頑張ろうと思えた。

男子《1.4倍 修了テスト100点満点》中学生になってから、社会がどんどん苦手になっていったけど、今日のトレーニングジムのおかげで、自信が持てるようになった。

社会科トレ 消毒作業

カーボンニュートラル

10月末に開会した臨時国会における首相の所信表明演説で、国内の温室効果ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針が表明されました。これは、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出量を、森林吸収や排出量取引などで吸収される量を差し引いて、全体としてゼロにするということであり、「カーボンニュートラル」という言葉でも表現されています。

昨年9月の国連気候行動サミットでは、環境活動家グレタ・トゥンベリさん(当時16歳)のスピーチが話題になりましたが、一方で日本の「2050年までに80%削減」という温室ガス削減への腰の引けた取り組み姿勢や意識の低さは、別の意味でクローズアップされてしまいました。12月のCOP25の時には、世界120カ国のNGOネットワークであるCANインターナショナルが、温暖化対策に消極的な国に与える不名誉な賞「化石賞」を受賞してしまったほどで、そこから考えると大きな方針転換だといえます。

では、どのような方法でカーボンニュートラルを実現していくのでしょうか。日本の年間二酸化炭素排出量は、12.9億t(2017年/国立環境研究所調査)で、中国、アメリカ、インド、ロシアに次いで世界で5番目に多いという状況です。二酸化炭素排出量削減へのアプローチは、「CO₂を発生させないこと」と「発生したCO₂を吸収・固定していくこと」の両面あります。

2019年の日本のエネルギー構成は、石油41%、石炭26%天然ガス22%、再生可能エネルギー5%、水力4%、原子力2%であり、化石燃料の合計は89%を占め、依存度が高い状況にあります。直接的にCO₂を排出する自動車などは、電気や水素や燃料電池をエネルギーとするものにシフトすることになります。そうなると電気需要が一層高まることから、発電方法も再生可能エネルギーの利用を飛躍的に増やし、CO₂を「発生させない」脱炭素社会を目指す必要があります。

一方、「発生したCO₂を吸収・固定していくこと」も同時に進めなければなりません。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、CO₂を資源として捉え、炭酸塩やコンクリート製品・コンクリート構造物へCO₂を固定化し、有効利用する「カーボンリサイクル技術」の技術開発5テーマに着手しています。その他にも「光触媒による人工光合成」など、産官学が力を合わせて研究が進められています。

カーボンニュートラルは人類に突き付けられたタイムリミットのある課題です。叡智を結集して技術が早期に実用化されることが期待されますが、私たちも他人事としてとらえるのではなく、身の周りのちょっとしたことから発想を変え、あらゆることに知恵を生かしていかなければなりません。

明神岳